解散したバンドが復活した。
そのバンドは僕の中で過去の思い出と完全に同一化している。
当時、僕は高校1年生だったから、もう12年も前の話になる。
中学時からの親友と、ぴあの入っていたデパートの前に
深夜から並んで、東京ドームのチケットを買った。
毛布と寝袋を用意して、一番だろうと並びに行ったら既に人がいて驚いたな。
あと、当時の甲府の治安は悪かった。族がうろうろしていた。
爆音出しながら暴走、今考えると明らかに飲酒運転だね。
お店から出てきてそのままドリフト決めてたもんね。
タイヤの黒く焦げる匂いを初めて知った。
おまわりは取り締まらないのかなーと思いながら、
出来るだけ目立たないように小さくなって並んでいたことを思い出す。
数百人単位のコンサートなら何度か行ったことがあったんだけど、
いきなりその100倍の規模のライブでしかも東京で、でしょう。
東京は親と行ったことはあっても、友達だけで行ったのは初めてだったかな。
すごく緊張していたのを思い出す。
原宿に初めて降りて、高くて汚い服屋に田舎モノの認定をされた気がした。
街を歩く赤い髪や金色のウニ頭を見て、まさか今日ライブをする本人か?と思いきや、
すぐにファンだと分かった。いまじゃコスプレっていうんだろうけど
当時は「怖い人」っていうカテゴリーに入りかねない、っていうかずばり入ってた。
東京っていろんな人がいるな、いていいところなんだなと素直に思った。
初めてのドームは本当にでかかった。
徹夜で並んだのにも関わらず、アリーナは取れなくて、スタンドだった。
ステージは遠くて、メンバーは米粒くらいの大きさでしかなかった。
それでも行ってよかったと思ったのは、物凄い熱気を感じられたからだ。
5万人で歌い、ジャンプした。
あの一体感は他にどこで得られるんだろう。
宗教か?と思われるかもしれないけど宗教じゃないよ。たぶん。
演出もいいんだよなー。ドラムソロの途中で倒れて、客が心配して名前を叫んで、
よろよろと立ち上がりドラムセットの前にようやく座ったかと思うとまた鬼のようにたたき出す。
元気じゃんか!!
っていう。
そのバンドは翌年に解散し、その翌年にメンバーの一人が亡くなった。
これで完全におしまいだと思った。
そして10年経ち、復活をした。
奇妙な感覚がある。なんだろうこの感覚は。
あの時の続き、では絶対にない。確実にあの時に終わったものだ。
YOUTUBEにあった、復活ライブの様子を観て確かめる。
メンバーは確実に老いている。
ネットの掲示板では、当時を知らない新しい10代のファンがいる。
どういう風に捕らえているんだろうか?
新しいものとして受け入れているのだろうか?感動したということだが。
確かに1曲目のTHE LAST SONGでは涙が出た。
でもそれが何の涙なのか自分で分からないのだ。
んー。全くわからん。
誰かがどこかで同じような感覚を持っていて、
なんとなくの答えも出しているような気がするからちょっと探してみるか。
自分で考えてみても、1週間答えが出なかった。
書きながらまとまるかと思ったけどまとまらないや。
結論の出ない、しょうもない文章のお詫びとして
15年前位の、大作「Art of Life」を張っておきます。(全体で30分!の大作)
やっぱり今と昔は違う。
ギターの存在かな…。