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プールでの衝撃

今日のプールは人でごった返していた。
中学生くらいのグループと親子連れが多い。
正確な数は数えていないので分からないが、たぶん30人近かったと思う。
冬場は僕1人で使い放題の時もあるのになと思いながら、
トレーニング用と書かれた立て札のあるコースを共有する。

ふと隣のコースを見ると、コースロープに男性がもたれかかっていた。
初めて見かける人だ。黒くよく日焼けしていて、特に腕周りの筋肉が太い。
体調が悪いという訳でもなさそうだ。
マナーが悪い人なのかなと思っていると、そのコースを泳ぎ始めた。
クロールは力強いが、フォームが悪いため、着水時にバシャンと水柱を上げる。
フォームが崩れている人を見るのは珍しくはないが、
その男性の泳ぎはどうにも派手だ。

周りは気にせず僕は僕自身のメニューをこなした。
何の気なしに泳いでも自然に隣のコースの泳ぎは目に入るもので、
水中からその男性の泳ぎを見ることになった。
足が、曲がっている。その角度は極端で、40度ほどある。
水の抵抗を極力減らすために、足は水平を保つのが基本だ。
基本を知らないのか?
いや鍛えるためにわざとやっているのか?
不思議に思った。

その男性が泳ぎ終わり、プールから上がって分かった。
プールサイドに体育すわりをするようにして、手で自分の足を持ち上げて移動している。
両手で右足を動かしたら、今度は左足を移動させる。
停車した車椅子に向けて少しずつ体を近づけていく。
僕は、軽くはたかれたような衝撃をうけた。
男性は足が動かないのだ。

足が動かせないことを前提に考えると、男性の泳ぎの物凄さが分かってきた。
僕も手だけで泳ぐ事はよくするが、足にビート板を挟み、少しでも泳ぎやすくしている。
体は真っ直ぐに保てるし、水の抵抗は抑えられる。
その男性が水中で負ったハンディはどれほどのものだったのだろう。
泳ぎは完全に上半身だけで行われなければならない。
あの足ではプールの真ん中で立ち止まることも出来ないだろう。
泳ぎの途中で水を飲んでしまい、立ちたくなることもあるはずだ。
気が遠くなった。

男性は超人だと思った。
もはや僕などが言及できる領域ではないのかもしれない。
「僕ももっとがんばろう」とは思わなかった。
感動なんて全くしていない。
僕はただ、圧倒された。

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