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2012年6月

第6回チャランゴの集いに出演した日の日記

kawaだ。(言い切り)

もう2012年5月27日のことだが、第6回チャランゴの集いに参加させて頂いた。
個人的な日記の形式で、記録しておく。


演奏順の連絡が来たのは前日だったと思う。
順番に名前を確認していったが僕の名前はなく、
あれ?と思っていたら、最後から2番目に書いてあった。
主催者の福田さん、賭けに出たなー、と思った。
僕は6年前に出た、「チャランゴ新世代」ではしょっぱい演奏を繰り広げてしまったし、
気合の入れた演奏は2007年に行なってからブランクが長かった。
近年唯一の演奏であるプエルチェは、ミスもあり、まあまあの出来。
"PUELCHE" - YouTube(2011年。大阪での演奏)
こんな男がチャランゴの集いの終盤を任されてしまって良いのだろうかー。
順番を変えてもらった方が全体として演奏会になるのではないかー。
しかし、こんなに良いプレッシャーを感じられるのは今回だけかもしれないし、
気合を入れてリハビリを行うには絶好のロケーションなのではないか
と思い、変更の申し出はせずに、そのまま出させてもらうことにした。

会場に着いて、皆で軽く会場設営を済ませ、少しの練習をする。
ここで全く指が動かないことに気が付いた。
体が眠っている。指先が冷たい。全く速度が出ず、焦る。
すでに昼ごはんとしてローソンの唐揚げ弁当を食べていたが、炭水化物が足りないと判断。
急いで「はなまるうどん」に行き、かけ小105円で炭水化物を補給、
コンビニでペットボトルのミルクティーを購入し、カフェインをドーピング。
これでやっと体が温まってきた。

開演時間。
思っていたより大勢の人に来て頂いた。
数人の知人と、ラテ研の現役生も観に来てくれた。ありがたい。

開演し、前半は撮影班の仕事をこなす。
後半、他の人の演奏を聴くのはそこそこにして、会場の外でウオームアップを行う。
全身のストレッチと、スクワット。これ大事。
スクワットをすることで全身に血液が巡り、緊張がほぐれるのだ。
(みんなもぜひやってみてね!)

いよいよ自分の番が来た。会場の最後尾からステージ横まで素早く移動し、
直前の演奏者が舞台から降りたと同時に登壇。椅子の準備をする。
司会の方に簡単な紹介をしてもらい、挨拶をしてから演奏に入る。

1曲目は僕だけの演奏。曲はLa Partidaだ。
チリのビクトル・ハラが作曲した名曲で、
アレンジは我らが心の師匠フレディ・トレアルバ。
静けさと激しさの同居を表現したいところだったが、
うどんと共に摂取したカフェインが暴走したのか、テンポが早く、
落ち着きのない、激しいだけの演奏になってしまった。


気を取り直して、2曲目。ギターに入ってもらってPuelcheへ。
フレディ・トレアルバさんの代表曲だ。
この曲は素早さを出すことがまずポイントで、練習の調子では不安だったが、
本番はカフェインパワー。その点では大丈夫だった。
だが、他の心配の穴にハマッてしまうような危機を感じながらの演奏になった。
ここも勢いで押し切り、終演。
んー、と思いながら、ステージを降りる。
それでもお客さんは拍手してくれる。やさしいな。

僕がスポットライトから外れ通路に戻るころ、司会者はあるエピソードを紹介してくれた。
YouTubeに載せた演奏がフレディ・トレアルバさんに発見され、
本人からメッセージを貰った件だ。
僕はそのメッセージに書いてあったメールアドレスにメールし、
尊敬するフレディさん本人と直接コンタクトを取ることが出来たのだった。
だが、僕は演奏を終えた虚無感と開放感、それと少しの照れから、
「フレディにメールを送ったが、僕のスペイン語が未熟で、フレディが
お前のスペイン語分からんという返信をよこし、それから音信不通だ」
というようなことを喋ってしまったが、本当は少し違っている。
僕のスペイン語は未熟なので、おそらく失礼なことを言ってしまったのだと思う。
フレディは日本で自身の曲が演奏されているのを発見して、喜んでいるようで、
日本に来たいと言ってくれていたのに。
フレディには、スペイン語を少し勉強してからお詫びのメールをしてみたいと思っている。
(現実、時間がなさすぎて全然勉強が進んでいないが…。)

その後、最後の奏者TOYO草薙さんの演奏を終え、チャランゴの集いは盛況のうちに終了した。
早い時間から打ち上げを始め、チャランゴ談義に盛り上がり、遅い時間に帰宅。

関係者の皆様に感謝。ありがとうございました。


僕の課題は色々あるけれど、ひとまず
次に演奏するときには、自分は世界一だと自己催眠をかけてから演奏したいと思った。(笑)

今回のチャランゴの集いの動画は数多くアップされている。(僕がアップした)
たぶんまた後ほど、まとめて紹介する予定。

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学生さんたちの春定を見てきた日記

kawaです。


2012年6月3日は関東学生フォルクローレ交流会の春定を観に行って来ました。
なんと9年ぶりですよ、春定に行ったのは。
僕の同期でずっと現役生と関わりがある人物がいて、彼は出演もするというので、
僕が行っても圧倒的に浮くということはないかなーと。
演奏せず、ただ観に行くのは初めて。

会場の田無までは片道2時間。かなり遠い。
なぜわざわざ行ったのかと言うと、僕のYouTubeの統計データを見て、
この業界の若者層は滅んでいるんじゃないか?と心配したからです。
データで見る日本のフォルクローレ業界の一端: 白いあなぐらより
Photo_6

このグラフは年齢層別の視聴者の割合を示すグラフだけど、
この業界に若い人達がいないように見えますよね。
それと、先日僕が出演した「チャランゴの集い」で、僕が最年少だったこと。
これにはとても驚きました。
おいおいもっと若い人いるはずだよと思い、学生に「知らない変なおっさん来たよ!」と
後ろ指さされるだろうなーと予想しながらも、行ってみる事にしたのでした。

行ってみてパンフレット見て驚いたのは、僕が学生をやっていた頃より
出演グループ数が多く、色んな大学間での交流が盛んになっているような感じでした。
合計で40グループも出演していました。僕らの頃はこんなになかった気がします。
そして、楽しそうに演奏しているところが多い。
なんだ、盛り上がってるじゃんというのが率直な感想でした。
僕が現役だった頃にすでにおっさんとして見に来ていた人も相変わらず見に来ていて、
会釈をしつつ、変わらずお互い元気ですねーと思ったりもして。

ずっとホールで聴いているのも疲れたので、控え室に行き、
最近チャランゴを少し教えたラテ研の現役生に進捗を確認(笑)したり、
ツイッターで知っていた人たちに挨拶をしたり、
OBで出演していたギターとPuelcheを合わせてみたりしました。
この時間も有意義な時間でした。
コスキンはこのギターと出ることになったのですが、
春定に行かなければそうなっていなかったと思います。
Puelcheはチャランゴも難しいけれど、ギターも難しく、
事前情報ないまま伴奏の依頼をして失敗したという経験があったので悩んでいました。
技術もそうですが、それ以前にまずモチベーションがなければ厳しい。
良い感じで本番を迎えられそうな気がしています。(準備しなくては!)

一休みした後に、また演奏を聴いたり、慶應ラテ研の現役生と喋ったり。
最後の締めの花祭りで、悪ノリしてステージに上がって演奏してみたり。
一応、目立たないように一番奥の隅っこを確保しつつ。
いつも自分の部屋で一人で弾くのとは違って、大人数だと自分の音がわかりにくくなりますね。
こういう環境で弾いていると、音色の分かりやすい、
硬い材質のチャランゴを求める傾向が出るのかなーなどと思ったり。

いやー何だか楽しかった、すいませんなどと思いながら、帰宅。
結局、僕のYouTubeのデータの裏は取れませんでしたが、むしろ安心しました。
勝手な想像だけど、あのデータが出た原因は、
若い人でYouTubeのアカウントを取って見ている人が少ないのか、
自分の演奏以外にあまり興味が無いのか、ある年代以上がそもそも圧倒的に多い業界なのか、
のどれかでしょう。

もう少し現役生の演奏について書いておくと、
演奏の技術は、全体的には僕が現役だった頃とたぶん同じ位だと思います。
(センスを感じるグループや個人はありました。具体的に挙げないけれどこれは収穫)

チャランゴについて書いておきますと、
僕の見た範囲では、チャランゴメインの曲をやっている所がなかったです。
これは僕の場合に過ぎないのだけれど、
チャランゴメインの曲って、孤独にならないとなかなかやらないんですよね。
グループでやる機会があれば、グループでの演奏にモチベーションを取られてしまうので。
僕が現役の時はベックマンの伴奏をするのが楽しくて、チャランゴ曲やろうという気にならなかった。
他大との交流が盛んになった今の学生フォルクローレ会では、交流が楽しいため、
ソロをバシバシ弾くようなチャランゴ奏者は出てきにくいのかもしれないと想像してみました。
ここで僕の現役の時にはこんな凄いチャランゴがいたんだぞーと紹介すると、
その人は孤独だったのかという話になりますが、たぶんそんなことはない、
言いながら2人ほど紹介してみます。(笑)

この人は現役の頃からこのレベルの演奏を定演で繰り広げ、僕は毎回楽しみにしていました。
抜群のキレと美しさを持った演奏ですよね。
カブールとかセンテージャスとかよく演っていました。
最近は演奏回数が減っているのかもしれません。また聴きたい所です。
続いてはこちら。

この人は現役の時は主にグループで演っていて、ボリビアに長めに滞在してから
本格的にチャランゴメインの曲をやるようになったと記憶しています。
ポップ色が強いオリジナル曲をやるという印象を持っています。
いまはボリビアのラパスに住んでいますね。
チャランゴ奏者 桑原健一 オフィシャルサイト

今後、突然変異的にすごい奏者がバーンと出てくれれば楽しいと思います。
今回の春定に出演したチャランゴ弾きの中には、チャランゴ曲を弾いたらすごいかも
と思った人もいましたが、その人もチャランゴメインの曲はやっていなかった。
僕としてはやって欲しかったですね。

日本のフォルクローレ業界だけでなく、チャランゴ業界ももっと盛り上げたいと思うのですが、
どうすればいいでしょうかね。

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