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受傷(上腕骨骨幹部骨折#4)

腕相撲トーナメント第3試合。
勝負はやや僕が優勢で、長く動きがなかった。
肩や胸の筋肉の充実を感じ、負ける気はしない。
ベンチプレスで100kgを上げた胸筋を使えば勝てる。
一気に力を入れていった。

瞬間、パキッという短い音がし、肘から先の感覚がなくなった。
驚いてテーブルをみると、僕の手のひらが上を向いている。
異変を感じたイケメンの友人が真っ先に駆け寄ってきた。
大丈夫か?
ダメだ、折れたか、良くて脱臼したかだ。救急車だ。
腕は全く動かすことができず、ぶらりと僕の肩から下がっている。
心配そうに見つめる花嫁に、大丈夫ですよと声をかけ、
イケメンとともにエレベーターへ向かった。

酒のためだろうか、痛みはない。
ただ体中から脂汗が流れ出してくる。気分が悪い。
腕はただまっすぐに下を向いたまま、動こうとしない、
いや、動かしてはいけないものだと直感した。

会場の人に救急の手配を頼む。
スタッフの若い男が来て事情を聞き、脱臼ですね、と言う。
ちょっと痛いけど、いま僕が関節入れますよ、よろしいですか?
脱臼、なのだろうか。
いま処置すれば、すぐに宿に戻れて、温泉にも入れますよ、と彼は言う。
だが僕は、これ以上迷惑をかける訳にはいかないと断った。

骨折であって欲しくないという願いから、その場にいた人はみんな
脱臼だろうと自分自身を信じ込ませようとしていたと思う。
いや、単に無知だったのかもしれない。

正しい怪我の状況はまだ誰にも分からない。
こういう時、ものごとは楽観的に見積もるべきではない。
結果、骨折であり、もし彼の「手当て」を受けていたら
いまこうしてキーボードを打てていなかったかもしれない。
僕は骨折した友人を知っていたから、最悪の事態を避けることができた。

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