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診断(上腕骨骨幹部骨折#5)

用意されたタクシーで病院に向かう。
救急車じゃないのかと思ったが、痛みはないので黙って乗る。
佐伯が同乗してくれた。
どんどん気分が悪くなっていく。

S病院に到着し、夜間緊急外来の受付へ向かう。
時計は夜の11時を指していたが、待合室には数人の患者が待っていた。
腕は伸ばしたまま椅子に座る。深い呼吸を繰り返す。
12時になり、ようやく部屋に呼ばれた。
佐伯が、整形の先生ですよねと看護師に聞くと
はい、顔の専門ですがとの答え。
顔の専門。

レントゲン台に腕を乗せる時から痛みが始まった。
腕を動かすと痛い。台に乗せられない。
看護師に腕を動かされ、2,3枚写真を取った。

黒縁のメガネをかけた若い医者は、撮られたばかりのレントゲン写真を白板に貼り、黙った。
黒い背景に2本の白い線が入っている。
先生、これは、、。
僕がそう言いかけるとようやく口を開く。
折れてますね。
そう言ったきり、また沈黙する。
静寂が部屋を覆い、僕、医者、看護師の誰もが次の手を思案した。
手術が必要ですね。
医者が口を開いた。
入院するところですが、ご自宅はY県。遠いですね。
しばし沈黙。
ゴールデンウイーク中は手術が出来ないので、
明日自宅近くの病院まで移動し、そちらで入院されると良いのではないでしょうか。
この日はGW初日。僕は初めてGWを恨めしいと思った。
看護師が待合室にいた佐伯を連れてきて、医師が状況を説明。
そしてまた沈黙。
これで話は終わりなのかと思ったところで、看護師が三角巾を薦めてくれ、
首から右腕に三角巾が巻かれた。
三角巾、結構ぷらぷらする。
痛み止めの薬と紹介状と、ビニール袋に入れた氷水を貰い、
予め取っていた宿に戻ることになった。

宿で待っている友人たちに佐伯が電話し、
腕の骨の2本あるうちの1本が折れたと説明した。
上腕骨は1本しかない。
あまりにも派手に離れていたため、2本あるように見えたらしい。

岡山から関東まで帰らなければならない。

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