読書

「外資系金融の終わり」を読んだ

kawaです。

本日の本は、外資系投資銀行に務めるブロガー・藤沢数希さんの
外資系金融の終わり」です。
サブタイトルには「年収5000万トレーダーの悩ましき日々」とあり、
外資系投資銀行を知らない人は、「年収5000万だってー?」と
まず驚かされるわけです。
これが釣りではなくて、真実なようでして。

初っ端9ページにゴールドマン・サックス社員の平均年収が載っていますが、
リーマン・ショックを経た今でも3000万あるようです。
最も高かった頃は7000万とか。
見るだけで頭がボケーッとしてきますね。
読み進めると、世界のヘッジファンドマネージャの年収ランキングが
掲載されており、年収で4000億円を稼いだ人もいるようです。

なにもモノを生み出していないトレーダーが、
どうしてこんなに儲けられるか、その仕組みがわかりやすく書かれています。
また、最近の時事問題にも触れられていますが、難しい内容はあまりありません。
AKB48をユーロになぞらえるなど、むしろ刺激的な記述が多く、
低俗かもしれませんが分かりやすく楽しい本でした。

僕が一番気に入ったところは、88ページ。
日本の銀行が日本国債を買いまくって利益を出していることについての記述です。

「国が財政破綻するなんてまさか思っていなかった、といえばサラリーマン
である銀行員はだいたい許してもらえる。(中略)
だったら日本国政府が破綻するまで簡単に儲かり続けるのだから、
日本国債を買い続けるのはじつに合理的なのだ」(引用)

身も蓋もないですね。
僕も身近な銀行の決算書を見ていて、「国債買いすぎだよなー」と思い、
部門の担当者に質問したことがあります。
まぁ、彼が何と言ったかは書きませんが。

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読みました「困ってるひと」

kawaです。

読書記録日記、2回目は、「困ってるひと」です。

難民問題に取り組んでいた女子大学院生が、突然、難病にかかってしまい、
その壮絶な闘病生活を書いた本でした。
全体的に柔らかい文章で、驚くほどユーモアに溢れている。
かなり軽快に読めるのだけれど、内容は壮絶。

これがこの人のリアルだなんて。
作り物の物語であれば、ラストには何らかの終止符が打たれる。
しかし、これは現在も継続している話なのだ。
そして、どうやらこれからもずっと続いていくらしい。
こんな風に難病と戦っている人がいるなんて、僕は全く考えて来なかった。
衝撃。

文庫本版が出ていたのに、知らずに大きい方を買ってしまった。
でも、筆者に印税が少しでも多く届くならいいと思った。

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読書しました「中の人などいない」

kawaです。

僕は本を読むことがあるのですが、その内容について時間が経つとほとんど忘れてしまいます。
今年は読んだ本の内容を忘れないために、ブログに記録を付けて行こうと考えました。
というわけで1回目の今日は「中の人などいない」です。笑

この本は、TwitterのNHK広報室アカウント(@NHK_PR)の周りで起きた出来事を
本人の視点で振り返っている本でした。

NHK広報室のTwitterアカウントは、堅いNHKのイメージと正反対で、
かなりユルいツイートばかりしています。
僕は、そのツイートをしている「中の人」にかなり興味がありました。
この本を読んで、どういうきっかけでアカウントが出来たかとか、
NHK社内ではどういう扱いなのかとか、気になるところがわかりました。
その他、色々なエピソード含め、読みやすい文章で書いてあります。
その中から2つピックアップします。

1.NHKが「はやぶさ」の帰還の中継をしないことに対して
 TwitterのメンションでPRさん宛の批判の声が相次いだが、
 TL全体を見るとさほど話題になっていなかった。
 また、コールセンターにも批判の電話は殆どなかった。
 
 >メンション欄が、たとえ同じような内容で埋まったからと言って、
  それが世の中のすべてではなかったのです。(引用)

Twitterに限らず、ある特定の環境でのみ発生している出来事が
まるで全体的にそうであるかのように感じられることってあるなーと思いました。
これには僕も気をつけたいところですね。
以前も書きましたが、ノイジー・マイノリティというやつでしょうか。
(↓以前にノイジー・マイノリティについて触れた記事)
[謝罪文]データでフォルクローレ業界を見たら、社会が見えました: 白いあなぐら

2.東日本大震災時に、どこかの中学生が無断でNHKの放送をネットに
 再配信していたが、その情報を「クビを覚悟で」拡散した。

本来は許可されていない再配信を、本当に必要な人の1人にでも
届けられたら、自分はクビになってもいいと覚悟をしての拡散だったとのことです。
これは僕も3月11日に、リアルタイムでTLを見ていました。
その時、NHK広報室の周りで起きていたことと、
NHK_PRさんが、何を考えてどのような行動を取っていたのかが書いてあります。
この部分、あの時の感覚が戻ってきて、緊張して読みました。
また、正直言って、NHK_PRさんのかっこ良さに痺れました。
緊急時にこういう覚悟を持って、影響力を発揮出来る立場は、
少しうらやましいなと思った所存であります。

 

以下、余談ですが、
このTwitterアカウントを見つけた時に、僕のNHKのイメージが大きく変わりましたが、
それ以前に、僕の友人(変態)がNHKに入社した時にも圧倒的に変わったことを思い出しました。
多様性を認める公共放送機関ってカッコイイですね。

(ちなみに、友人は変態であることを公表していないようです。笑)

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